トップページ > 健康ミニ情報 > 病原性大腸菌 >

病原性大腸菌

 今回は、たびたびニュースで取り上げられる病原性性大腸菌について、述べます。
 一般に、大腸菌と一言で言いますが、大きくわけて約180種類の大腸菌が存在します。TVでよく紹介されるO157とは、157番目に分類された大腸菌という意味で名付けられてます。O157にもいくつが種類があり、O157:H7に分類される大腸菌が、非常に強い病原性を持っています。O157以外の病原性大腸菌には、O26やO104などがあります。

 感染経路  牛の消化管には、O157を含む様々な大腸菌がいます。精肉になるときに、消化管内にいる大腸菌が肉の表面に付着することがあります。
 加熱により、大腸菌は死滅するのですが、加熱が不十分であったり、生肉をそのまま食べることにより、生きた大腸菌が人間の体内に入ります。病原性大腸菌は、胃酸では死滅せず、腸まで到達して感染を引き起こします。

 なお、生肉による感染は一例であり、病原性大腸菌が混入した堆肥で生産された野菜や果実類を摂取し、感染することもあります。
 発症原因  細菌が原因の食中毒は、菌が爆発的に増殖して症状を引き起こす場合と、菌が産生する毒素が症状を引き起こす場合があります。
 病原性大腸菌の場合は後者であり、腸内でベロ毒素という毒性の強い物質を出します。このベロ毒素は、腸の表面に取り付いて血液中に入り込み、細胞を破壊して腸からの出血や急性の腎臓病(溶血性尿毒症症候群:HUS)を引き起こしたりします。なお、その症状から、O157は腸管出血性大腸菌といわれています。
予防方法  生きた状態の病原性大腸菌を体内に入れなければ、感染はしません。すなわち、十分な加熱調理が有効です。
 もともと、大腸菌は熱に弱く、75℃程度の温度で死滅します。十分に焼いたり、煮たりすることにより、感染を防ぐことができます。
 生野菜などは、流水でよく洗い、皮をむいたり、加熱するのが有効です。また、作り置き中に菌が増えることもありますので、新鮮なうちに食べるようにします。
 発病者に老人と子供が多い理由  健康な成人の場合、体内に病原性大腸菌を取り込んだとしても、体内の免疫システムが強力に働き、一過性の下痢などで回復することが多いです。
 しかし、老人や子供の場合、免疫システムが即座に機能せず、腸内で毒素が生成され、腸管からの出血やHUSなどの症状を引き起こしやすくなります。

 病原性大腸菌以外でも、梅雨や夏の間は、気温や湿気が高い日が多く、細菌の繁殖が進みやすい時期になります。
 食事の前の手洗いや調理器具の洗浄を励行し、細菌感染を予防することが大切です。また、傷みやすい食品は、冷蔵庫などで保管し、菌の増殖を防ぐことが大切です。